東京の地下鉄に乗っていると、乗り換えが可能だとされている駅でも、意外と乗り換えが大変だという経験をお持ちの方が多いのではないだろうか。筆者は、多くの駅を利用している関係上、新宿や渋谷といった大きなターミナルではなくても、乗り換えが面倒な駅があることを知っていて、路線検索でそういった駅が登場するたびに、「はてどうしたものか……」と考えることがよくある。

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 今回はそんな駅を中心に、乗換駅とされていても実際には大変な駅があることを紹介したい。

●同じ都営地下鉄であっても

 ある日、用事があって、浅草から東武特急に乗ることになった。自宅の最寄り駅である京王線調布から、浅草にはどうやって行くかを考えながら検索すると、都営新宿線の馬喰横山で降り、都営浅草線の東日本橋で乗り換えるというルートが出てきた。

 実際に行ってみると、検索では3分間の歩行時間を指定されていたものの、もっと時間がかかったように思えた。ホームに降りたときから考えると、5分から10分は歩いたのではという記憶がある。

 地図で見ると、馬喰横山と東日本橋はV字型の構造となっており、その間を地下通路が通っている。馬喰横山は地下の深い位置にあり、東日本橋は浅い位置にあるため、3層移動しなければならない。このことが、「時間がかかる」「遠い」という印象を与えるには十分だった。

 もちろん、都営浅草線が最古の都営地下鉄であり、それに比べて都営新宿線は比較的新しいということもある。しかし、この深さには驚かされるものがあった。

 改札から出てまた改札に入るのと、電車から降りてまた電車に乗るのとでは、時間の感じ方が異なるかもしれないが、それでも長大な地下通路には、「えっ?」という驚きを感じるしかなかったことは事実である。

 なお、都営浅草線に乗って浅草で降りたあと、東武特急に乗るまでもまた、結構な距離を歩いたこともつけ加えておく。

●とにかく歩く飯田橋

 飯田橋で以前、東西線から有楽町線に乗り換えたことがある。その際には、東西線のホームから有楽町線のホームに向かうまで、ぐるぐると歩かされたように感じた。

 地図を見ると、両駅は直角ではない。二等辺三角形の二辺を歩いて移動しなければならないような歩き方をした。しかもその間、神田川を渡って(あるいはくぐって)いる。

 有楽町線や南北線のホームがあるので、川をはさまなくてはならないものの、川と並行して地下にホームをつくらなければならず、先にできた東西線との関係上、地下3層目にホームがある。歩き、階段を上り、エスカレーターを降り、また歩きという状況だったため、有楽町線ホームにたどりついたときには、「こんなに歩いたの?」と考えてしまった。標準乗り換え時間は5分となっているが、10分ほど歩いた記憶がある。

 飯田橋には、ほかにも都営大江戸線があり、地下第6層目にある大江戸線ホームに行くには、えんえんと東西線から有楽町線まで乗り換えるために歩いたのと同じルートを歩いたあと、第4層目までエスカレーターで降り、そこで改札を通って地下深くエスカレーターを降り、トンネルの中のようなところを歩かなくてはならない。「この駅は歩くなあ」と感じることが多いのが、飯田橋駅である。

●歩け歩け、赤坂見附と永田町

 駅の構内図を見て思わず尻込みをしてしまうのが赤坂見附と永田町の乗り換えである。もしこの2駅をまたいで乗り換えする場合、赤坂見附から半蔵門線の永田町までは歩く気になるものの、そこから先はちょっと、という気分になる。500メートルを超えて歩かなければならない表示を見たとき、「ううむ」とうなった。標準乗り換え時間は10分となっている。

 永田町だけでも、筆者は半蔵門線の永田町から有楽町線の同駅ホームを歩き、国会図書館近くの出口を利用したことがあるが、「こんなに歩くのか!」と駅に表示されている歩行距離を見て驚かされ、そして歩いて疲れた。しかも、いったん上のフロアに行き、さらにもぐって地下深くのホームを歩き、また地上に出る、という感じとなっている。ホームからホームまでは4分となっているが、地上に出るまではもっと時間がかかった。

 地図を見ると、赤坂見附のホームの端と半蔵門線のホームの端が接続しており、もう一つのホームの端と有楽町線・南北線のホームの端が接続するようになっている。そのため、この駅で乗り換えるには「歩け歩け」ということになるのである。

●御茶ノ水の複雑怪奇

 JRに御茶ノ水という駅がある。この駅は、東京メトロ丸ノ内線の御茶ノ水に乗り換えることができる。しかし乗り換えるためには、御茶ノ水橋口から橋を渡りあらためて駅に行かなくてはならない。JR御茶ノ水駅の大規模改良工事で乗換通路ができるという話があるものの、雨に濡れないというメリットがあるだけで、歩くことには変わりがない。

 一方、東京メトロには新御茶ノ水駅がある。この駅は、JR御茶ノ水駅の聖橋口の目の前にある。しかし乗り換えの対象となっていない。

 この新御茶ノ水駅は、都営新宿線小川町・東京メトロ丸ノ内線淡路町と乗り換え可能になっている。現実には、それぞれが隣接する小川町から新御茶ノ水、あるいは淡路町から小川町という乗り換えは可能でも、歩行時間がかかる新御茶ノ水から淡路町という乗り換えには距離があるので、乗り換えるのは面倒な状況だ。

 そのためか、JR御茶ノ水から淡路町、というのには無理があるのだろう。なにせ、駅の規模からすると、一駅間は優にある。

●メトロ丸ノ内線・都営大江戸線のうまくいかない関係

 東京メトロ丸ノ内線と、都営大江戸線は、新宿・本郷三丁目・後楽園(都営大江戸線では春日)で乗り換えられる。しかしこの乗り換えは、大変しんどいものがある。本郷三丁目では、都営大江戸線の駅は地下深く、いったん地上を経て東京メトロ丸ノ内線に乗り換えなければならない。地上・地下含めるとホームからホームまで10分はかかるだろう。

 隣の春日・後楽園で乗り換えようと思う人も多いだろう。大江戸線春日は地下4層、後楽園は地上2層と、こちらもアップダウンが激しい。しかも、改札を抜けないで行こうとすると地下5層の南北線コンコースを抜ける必要があり、複雑である。こちらも、最低で10分はかかると考えられる。

 思わずこの乗り換えは避けたいと思うくらい、面倒なことが多い。

 なお新宿の場合は、東京メトロ丸ノ内線の駅は「新宿西口」に近く、大江戸線の新宿とは遠い。大江戸線新宿までの地下通路はあるものの、かなり歩く。もっともターミナル駅だから仕方がない、と思うことがある。

●なぜ複雑な地下鉄の乗り換えは生まれるのか

 地下鉄はたいてい、道路の下を路線が走っている。早くできた地下鉄は浅い位置につくられるが、遅くできた地下鉄は深い位置につくられる。

 また、地下鉄は立体交差であり、平面交差をさせるわけには行かない。駅スペースにも余裕があってつくられるわけではない。しかも東京は高低差が激しく、その地形に合わせて地下鉄をつくる必要が出てくる。

 そうなると、地形に合わせて駅をつくり、かつ複数の層を使って同じ層にぶつからないようにするためには、どうしても複雑な駅構造にするしかないのである。

 もちろん、東京の地下鉄事業者は、そんな不便を解消するため、エレベーターやエスカレーター、動く歩道などを必要に応じて設置している。

 乗り換えが大変だ、と思った方は地図や駅構内図を見てほしい。大変だと実感すると同時に、工夫も多いのだなあと感じるはずである。

(小林拓矢)

東京の地下鉄、複雑


東京は地理的にも狭いし仕方ないのだろう。


(出典 news.nicovideo.jp)


(出典 blogimg.goo.ne.jp)


確かに乗り換えはめんどくさいですね。

<このニュースへのネットの反応>

そもそも複数の路線を乗り入れる事を想定して駅が作られたわけじゃない。どんどん路線が増えていって現在の蟻の巣のような状態になってる


電車で一時間も、電車に乗りっぱなしの一時間と、乗り換えるが挟む一時間ではウトウトしたり出来ないからなぁ。歩くのが大変という意味での乗り換えが大変ではない気がする。


東京駅の京葉線まで動く歩道無かったらやってらんない


三越の七夕


立体交差していても武蔵野線と各線との乗り換えの様にするには、構造上難しいのだろうね。雨に濡れずエアコンが効いているから有難いと割り切るしかないな。嫌ならタクシー使えとなるだろう。


秋葉原のエクスプレスはすごい地下に突っ込まれてて驚いたなあ


名古屋の地下鉄=ドラクエの初期ダンジョン 東京の地下鉄=FFの最終ダンジョン大阪の地下鉄=攻略不能


そもそも元からそう言う構造で建設された物ばかりではない以上、そんな事言い出したらキリが無いと思うのだけど?少なくても世の中の交通機関を発達させようと努力したギリギリの中での選択肢だっただけ。それに土地の買収や構造上の理由で止むを得ない場合だってあるのだし、ある程度の努力位しなよ。


リアルダンジョン東京だしなぁJRもそうだけど地下鉄も利便だけ追及して路線追求した結果乗り換えが不便な感じだし…一度路線封鎖して工事入れて整頓した方が良いんじゃないかと思う